AdobeのAIRのイベントに行ってきました

Adobe AIR Developers Nightに参加してきました。
http://www.adobe-dev-night.jp/


ベータ版のプロダクト、かつ、有償のイベントにも関わらず
約600人もの参加者が集まったことから、注目度の高さが分かります。
実際に会場に行ってみると、立ち見も大勢いました。

イベントを通じて受け取った自分なりのメッセージは次の2点です。

  • Web技術でデスクトップアプリを作れる
  • デザイナーとシステム屋のコラボレーション

イベントの構成は次の通り。

  1. 概要的な話
  2. アメリカ本社から来日したAIRの開発者(ゲスト・スピーカ?)によるデモ
  3. Demo Battle と称してAdobe以外の6社がAir関連のデモを披露
  4. パネルディスカッション
  5. 立食パーティ

以下は、印象に残った内容をピックアップ。

ツールの統合:
 DreamweaverFlash という別々のツールが同じ手法を使ってAirアプリを開発できる。
(実際に、同じダイアログが出てきた)


PDFフォーム:
 年末調整用のPDFに対して、WYGIWIG編集するデモを披露。
 【感想】今更ながら、PDFフォームに驚いた。業務アプリケーションで実用的に使えそうだ。


ソニーのデモ:
 デジカメで撮影した画像をスマートな方法でアップロードして、Webブラウザ内で表示させるデモを披露。
 【感想】デザイナーとWebアプリ開発者のコラボレーションが注目される中、ハード(周辺機器)との連携を示唆した意義は大きい。


ひがさんのデモ:
 WordやExcelのようなデスクトップアプリは AIRに向いていない。
 Client-Server型の情報共有型のデスクトップアプリ(基本はWebアプリ)には向いている。
 Airと良く対比されるSilverLightとの違いは少ない。
 金融業界のお客様は複数の技術を採用したがらない傾向が強いのでJavaとの親和性重要。
 Javaとの相性が良い分Airに分がある。
 VBDelphiからAirに変換するツールのデモを披露。
 【感想】プレゼン資料が無いのに分かりやすい。


Flex Toolkit:
 Vistaのガジェットのようなウィジェットを披露。
 "Flex_Toolkit" で検索してぜひ見て欲しい。
 【感想】個人的には、このデモが6社の中で一番のインパクトがあった。


Fireworksの矩形がブラウザ!
 Fireworksで矩形を描くと、矩形の内部がWebページになっている。
 矩形に対して、Fireworksの画像処理フィルターを掛けて、色々見た目を加工。
 【感想】斬新な発想で面白かった。


LCDS(Push技術)を使ったデスクトップへの通知
 サーバからクライアントにメッセージを送り、
 クライアントはメッセージを受け取ると内部的に動画のダウンロードを行う。
 そして、ダウンロード完了時に画面に通知。(指定時間も検討中)
 ユーザーは瞬時に大容量動画を閲覧できる。
 【感想】『ストリーミング方式』と『ダウンロード&閲覧方式』とは異なる新しい動画配信方式に可能性を感じた。


勉強方法:
 1.5 と 2.0のようにバージョンが少し違うだけでも、内容が全然異なるので注意。
 FlexBuilderのチュートリアルが良い。
 【感想】FlexBuilderのチュートリアルのURLが知りたい


パネルディスカッション:
 困ったときに作業がしやすいように統合的なコミュニティをAdobeさんに育てて欲しい。
 Airの誤解が多いのでAdobeさんには正しいメッセージを届けて欲しい。
 ツールの連携は一方通行なので、双方向にして欲しい。
 【感想】モデレータの人は、よくもあれだけバラバラな人たちをまとめることができたものだと感心。


【感想の総括】

  • 例えば、VBのC/S型アプリの衰退を考えると、現在主流のWebアプリ開発も数年後に衰退するのを肌で感じた。
  • まずはFlexでリッチクライアントで開発して、ローカルに何か仕掛けるニーズがでてきてからAIRに移行でも良さそう
  • 次のWebアプリ開発の主な問題点がFlexで解消される点が嬉しい
    • ブラウザ間の互換性
    • Firebugなどの登場により品質確保のコスト増
    • 戻るボタン問題
    • HTMLは自由度が高すぎるがゆえに、バグが出やすく生産性が低く品質も確保しにくい
  • 安定志向を求める大手SIerの定番プレゼンテーション層技術は、StrutsからFlex に移行するかも。
  • 単なる生産性を向上させる技術ではなく、業界再編とまでは行かないがデザイナとシステム屋の融合を強く意識したプラットフォームは新たな可能性を感じさせる。
  • AIRを一言でいうと『デスクトップ 2.0』という感じ。
  • Seasarのひがさんが最近RESTfulに注目しているのが良く分かった。(FrontはFlex、BackにRESTful WebService
  • 大企業の派手なキャンペーンとかに需要がありそう。
  • Adobeの底力、本気度が伺えた。オープンな手法で成功して欲しいと思う。

追記:うーん。コメント欄が消えてしまった。「コメント・トラックバック設定」で許可にしても駄目だった。。。

追記2:他のブログで知ったのだけど、会場内は撮影禁止だったみたいですね。遅れて会場入りしたので、知らなかった。画像は削除しておきました。