StarLogic Conference 2007 に行って来ました
StarLogic Conference 2007
http://www.starlogic.jp/event/conference/2007/
間違いなくSI業界に一石を投じた衝撃的な内容でした。
濃いセッションが4つもあって、とても内容を書ききれません。
最初の羽生さんの基調講演で一番驚いた箇所だけ書かせて頂きます。
【テーマ】
まだITに無駄金を使いますか?
〜ユーザ主役型システム開発がもたらす納得の価値〜
【講師】
株式会社スターロジック 代表取締役兼CEO 羽生 章洋
【アジェンダ】
- ITって何?
- SI業界の問題
- わかりやすい価格の提供を
- IT導入プロジェクト成功の鍵
【ポイント】
ITの本質的な話からSI業界について触れ、「人月」こそがSI業界の悪習慣であることを述べる。自分自身も反省。そして何と、強い覚悟で二度と「人月商売」「下請商売」をしないことを宣言。
人月でないならどういう基準で見積もるか?
⇒ システム化対象の業務の1タスクにつき
【8万円】
という明瞭な価格体系を実現する。
ただし、下記の「※」がある
- 複雑なUI・帳票は個別見積
- 環境構築・データ移行は別料金
お客様が自分達でマジカ!を使って要件を取りまとめて頂き、画面数に関係なくマジカ!のシステムカード1枚が1タスクに相当するとのこと。(マジカ!とは、ユーザーが自分達で仕事の棚卸が出来るカード。)
普通の販売管理システムでは、大体30〜50タスク程度
(1タスクあたり4〜5画面)。
50 × 8万円 = 400万円
「※」を考慮すると大体500万円程度
次の2大テーマによって実現可能になるとのこと。
昔と比べて、ハードウェアの価格が大幅に下がり、オープンソースによりソフトウェアが無料で入手できるにも関わらず、アプリケーション開発の値段が高すぎることを指摘。SIerがITを徹底的に活用することで、アプリケーション開発の生産性を飛躍的に引き上げ、「ロングテールのSI」なるものを示唆。
【感想】
羽生さんは心からSIを愛してやまない、という印象を受けました。SI業界の悪慣習に対して、批評だけでなく、コツコツと改善の実績を積み重ねてきただけに、『決心に1年かかることは、やはり1年待たないといけないんですよ。』という羽生さんの何気ない言葉に重みを感じました。
比較的地味なSI業界にロマンを感じさせるイベントでした。SI業界からSI業界の外部にも通用するヒーローが誕生する日が今から楽しみです。
追記:ITProに紹介記事がありました
「SI業界の悪習,人月と訣別する」
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- スターロジックが1タスク8万円の“明朗会計”システム構築を開始
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http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070719/277909/?L=rss